人間性を高めて信頼を得る
人からの信頼を得るためには、まさに人間性そのものが大事。
生まれ持ったものもあれば、意識すれば変えられることもある。
以下はカーネギー先生から学んだことである。
サマリー
- 相手の言葉に真摯に耳を傾ける。
- 人を非難する代わりに理解するよう努める。
- 心からほめる。お世辞は不要。
人を動かす三原則
1. 盗人にも五部の理を認める
- 人を非難する代わりに、相手を理解するように努めようではないか。
- どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみようではないか。
- そのほうがよほど得策でもあり、また、面白くもある。
- そうすれば、同情、寛容、好意も、自ずと生まれ出てくる。
- すべてを知れば、すべてを許すことになる。
2. 重要感を持たせる
- 人間は例外なく他人から評価をうけたいと強く望んでいる
- どんな人間でも、何かの点で、私よりも優れている
- 相手の自己評価にぴったり合うことを言ってやること
- 感嘆は真実であり、お世辞は真実でない
- 感嘆は誰からも喜ばれ、お世辞は誰からも嫌われる
3. 人の立場に身を置く
- 常に相手の立場に身を置き、相手の立場から物事を考える
- 息子の寝小便に困っていた父は、息子に新しいベッドとパジャマを自分で選ばせて買ってあげ、寝小便をしないと約束させた。それ以降、大人と同じように振る舞いたかった彼は寝小便をすることがなくなった。自尊心が約束を守らせた。
人に好かれる六原則
1. 誠実な関心を寄せる
- 相手の話をちゃんと聞く
2. 笑顔を忘れない
- 動作は抑制できるが、感情は調整できない
- 快活そうにふるまい、快活そうにしゃべることが重要
3. 名前を覚える
- ルーズベルトはたまたま出会った一介の機械工の名を覚えている
4. 聞き手にまわる
- この厄介な男は、苛酷な搾取から公民権を防衛する戦士をもって自任していたに違いない。だが、本当は、自己の重要感を欲していたのである。
- 自己の重要感を得るために、彼は、苦情を申し立てた。局員によって重要感が満たされると、彼の妄想がつくり上げた不平は、たちまちにして消えうせたのである。
5. 関心のありかを見抜く
- 相手の関心を見抜いて話題にする
- ルーズベルトは誰が相手でもその人に適した話題を豊富に持ち合わせていた。尋ねてくる人があるとわかれば、前日の晩に遅くまでかかって研究していた。
6. 心からほめる
- 常に相手に重要感を持たせる
人を説得する十二原則
1. 議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける
- 誤解は、議論をもってしては永久に解けない。気転、外交性、慰め、いたわり、そして、相手の立場で同情的に考える思いやりをもってして、はじめて解ける。
- まず相手の言葉に耳を傾けよ。相手に意見を述べさせ、最後まで聞く。逆らったり、自己弁護したり、争論したりすれば、相手との障壁は高まるばかりだ。相互理解の橋を架ける努力こそ大切で、誤解の障壁をかさ上げするなど愚の骨頂である。
2. 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない
- 「おそらく私の間違いでしょう」と言って、面倒の起きる心配は絶対にない。むしろ、それで議論が収まり、相手も、こちらに負けず寛大で公正な態度をとりたいと思うようになり、自分も間違っているかもしれないと反省する。
3. 自分の誤りを直ちに快く認める
- 警官と渡りあう代わりに、私は、先方が絶対に正しく、自分が絶対に悪いと認めた。
- 即座に、潔く、誠意を込めて、認めた。
- すると、互いに譲り合いがはじまり、私は相手の身に、相手は私の身になって話し合い、事件はめでたく解決したのである。
- 前に法の権威でおどしつけたこの警官が一週間後に見せた優しい物腰には、誰もが驚かされたことだろう。
4. 穏やかに話す
- 人間は自分の心を変えたがらないということをよく心得ておくべきだ。
- 人を無理に自分の意見に従わせることはできない。
- しかし、優しい打ち解けた態度で話し合えば、相手の心を変えることもできる
5. 相手が即座に“イエス”と答える問題を選ぶ
- 人と話をする時、意見の異なる問題をはじめに取り上げてはならない。
- まず、意見が一致している問題からはじめ、それを絶えず強調しながら話を進める。
- 互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いはただその方法だけだと強調するのである。
6. 相手にしゃべらせる
- 自分は良い聞き手になること
7. 相手に思いつかせる
- 人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうを、我々は、はるかに大切にするものである。
- すると、人に自分の意見を押しつけようとするのは、そもそも間違いだと言える。
- 暗示を与えて、結論は相手に出させるほうが、よほど利口だ。
8. 人の身になる
- 相手は間違っているかもしれないが、相手自身は、自分が間違っているとは決して思っていない。
- だから、相手を非難してもはじまらない。
- 非難は、どんな馬鹿者でもできる。
- 理解することに努めねばならない。
- 賢明な人間は、相手を理解しようと努める。
- 「もし自分が相手だったら、果たしてどう感じ、どう反応するだろうか」と自問自答してみるのだ。
- これをやると、腹を立てて時間を浪費するのが、馬鹿馬鹿しくなる。
- 原因に興味を持てば、結果にも同情を寄せられるようになるのだ。
- おまけに、人の扱い方が一段とうまくなる。
9. 相手の考えや希望に対して同情を寄せる
- 「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」と言って話し始める
10. 人の美しい心情に呼びかける
- 相手が冷静になったのを見定め、顧客の公正な判断に訴えた。
- つまり、彼の美しい心情に呼びかけたのである。
- 「私どもが至らぬためにご迷惑をかけてまことに済みません。集金人の態度には、さぞお気を悪くされたことと思います。まったくけしからぬ話です。会社の代表として深くおわびいたします。お話をうかがって、あなたの公正で寛容なお人柄にすっかり感心しました。実はお願いがあるのですが、これはあなたでないとできない、そして、あなたが一番よく知っていらっしゃることなのです。ほかでもございませんが、この請求書です」
11. 演出を考える
- 単に事実を述べるだけでは十分ではない
- 事実に動きを与え、興味を添えて演出しなければならない
12. 対抗意識を刺激する
- 仕事には競争心が大切である
- あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべきである
人を変える九原則
1. まずほめる
- まず相手をほめておくのは局部麻酔に似ている
- ダメージをやわらげる
2. 遠回しに注意を与える
- 人を批判する際、まずほめておいて、次に〝しかし〟という言葉をはさんで、批判的なことを言いはじめる人が多い。たとえば、子供に勉強させようとする場合、次のように言う。
- 「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。しかし、代数をもっと勉強していたら、成績はもっと上がっていたと思うよ」
- 「しかし」を「そして」に変える
- 「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、本当に鼻が高いよ。 そして、来学期も同じように勉強を続ければ、代数だって、他の課目と同じように成績が上がると思うよ」
3. まず自分の誤りを話したあと相手に注意する
- 人に小言を言う場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと前置きして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いをせずに済む
4. 命令をせず、意見を求める
- 命令ではなく、暗示を与える
- こう考えたらどうだろう?
- これでうまくいくだろうか?
5. 顔を立てる
- 相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。
- 大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ。
6. わずかなことでも惜しみなく心からほめる
- 褒め言葉は人間に降り注ぐ日光のようなもの
7. 期待をかける
- 相手に美点を発揮させ耐えれば、相手がその美点を備えていることにして、公然んとそのように扱ってやるがよい
- 良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないように努めるだろう
8. 激励して、能力に自信を持たせる
- 否定して向上心の芽を摘み取ってはならない
- 大いに元気づけて、相手の能力をこちらは信じているのだと知らせる
- そうすれば相手は、自分の優秀さを示そうと懸命に頑張る
9. 喜んで協力させる
- 誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益を忘れ、相手の利益だけを考えよ。
- 相手に期待する協力は何か、明確に把握せよ。
- 相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
- あなたに協力すれば相手にどんな利益があるか?
- 望み通りの利益を相手に与えよ
- 人に物を頼む場合、その頼みを相手の利益にもなると気づくように話せ
まとめ
ひたすら相手の立場に立つのが大事。
人間関係の基本が詰まっている。
相手を信じることで心から褒めたり、感嘆することができる。
自分の心に偽りがあると、お世辞になる。
テクニックもあるとは思うが、そもそも根っこからの良い人であることが大事なのだろう。(そこはもう変えられない?笑)
定期的に見直したい。