価値を生み出すデザイナーについて
自分はデザイナーでありつつ、経営に携わっている結構レアなケースだと思う。といっても、共同創業者だからというのが理由としては大きく、いちデザイナーの立場から上り詰めたとかそういう話ではない。
先日、下記のnoteを読んで非常に興味深かったので自分の意見もまとめてみる。
- デザイナーはコストセンターか。 組織とキャリアから考える|大﨑 優|CONCENT
- デザイナーは、利益を生み出すプロフィットセンターなのか。もしくは、収益に貢献しないコストセンターなのか。 デザイナー個人にとっても、デザイン組織にとっても、重要な問いです。 プロフィットセンターとコストセンター デザイナーが売上や利益に対する責任を持ち、定量的な数字目標を掲げている。自身の評価にも数字が絡んでくる。これは、プロフィットセンターとしてデザイナーが活動しているケースです。 事業会社のデザイナーであれば、営業など他部署と同じ目線とリスク感覚で成長を目指しているような状況。デザインエージェンシーであれば、制作業務だけでなく、クライアントに提供するサービス全体に対してデ
- https://note.com/osakiyu/n/n6862a511a57e
デザイナーは、利益を生み出すプロフィットセンターなのか。もしくは、収益に貢献しないコストセンターなのか。
これは個人的な考えではコストセンターだと思う。デザインという業務の性質を考えると、デザイン単体では成り立たず、基本的にはプロダクト、マーケティング、セールスあたりに付随する作業となる。
プロダクト自体のデザイン、バナーのデザイン、資料・ホワイトペーパーのデザイン、LPのデザインなど。
デザイナー自身が仕事を作り出していく姿勢は大事。だが、現実的にその仕事には他の機能開発業務やマーケティング業務なども絡んでくる。そしてそれらを実行するリソースは社内にない場合が多い。(またはそれ以上に優先度が高い業務がある。)
そうなった時にデザイナー自らが余ったリソースで他領域も実行できると強いのは間違いない。これがデザイナーを主軸としつつ、他領域にも手を伸ばしている状態だろうか。
noteの中にある「価値創出や利益拡大の起点としても活躍できる」デザイナーレベルとなると、これはデザイナーの枠を超えてPdMやマーケター領域にかなり足を踏み入れている状態と言える。
そうなってくると、もはやデザインができるPdM、デザインができるマーケターなのだ。個人的にはこれらの人材は超貴重で、価値が高いと考えている。
一方でデザイン専業にしている人が悪いかというとそうではない。デザインに完全に特化したプロフェッショナル人材は、これはこれで強力な戦力となる。
(もちろん、兼業デザイナーより能力を研ぎ澄ます必要はある)
コストセンターでありつつも「必要」コストであり、その能力によっては他領域の成果物のクオリティを何倍にも引き上げる可能性を秘めている。
とはいえ、デザイナー過多という状態は経営目線においてはリソース最適化ができていない状態と捉えられるため、いつでもミニマムな状態であることが求められてしまう。ただしデザイナー業務が逼迫しているのであれば当然バランスを考えて増やすべきである。
その塩梅は一般的な経営層には分かりづらいと思われるので、CDOやCXOといったデザイン分野の責任者が経営層にいると良いのだろう。